診療内容
嗅覚障害
嗅覚障害
嗅覚障害とは、匂いを感じ、その匂いがどのような匂いなのかを正しく感じられなくなっている状態です。
以下のような症状がある方は、耳鼻咽喉科にご相談ください。
●においがしなくなった
●においを感じにくい
●鼻をかなり近づけないとにおいが分からない
●周りの人が気付くにおいが分からなかった
●同じようなにおいがずっとする
●分かるにおいと分からないにおいがある
●においが分からず、食事がおいしく感じない
嗅覚障害の種類
気導性嗅覚障害
においの分子が嗅細胞(においを感じるときに働く鼻の奥にある細胞)に到達できないとにおいが分からなくなります。アレルギー性鼻炎などによる鼻づまりや副鼻腔炎に伴う鼻ポリープ(鼻茸)などがにおい分子の通り道をふさぐことが原因です。
鼻づまりや副鼻腔炎、鼻ポリープ(鼻茸)が改善すれば、嗅覚障害も回復することが多いです。
嗅神経性嗅覚障害
嗅細胞が傷ついたために、においを感じなくなります。嗅細胞が細菌やウイルスの感染によって破壊されてしまったり、骨折や頭部外傷によって嗅神経が切れてしまったりすることが原因です。
いずれもダメージの程度によって、においの感覚が自然に回復することもあれば、そのまま障害が残ることもあります。
新型コロナウイルス感染症の影響で発症する嗅覚障害は、このタイプだと考えられています。
中枢性嗅覚障害
脳の病気(脳出血、脳梗塞、脳腫瘍、認知症、パーキンソン病など)や脳の外傷により脳がダメージを受け、においの情報を脳が受け取れなくなった結果、においが分からなくなります。
嗅覚障害の回復に時間がかかる場合や、完治が難しいこともあります。
嗅覚障害の治療
嗅覚障害の原因、重症度によって治療法は異なります。
まずは原因となる疾患の治療を行なうことが大切です。
嗅覚障害に対してはステロイド剤の点鼻薬を使ったり、ビタミン剤や血流を改善する薬を服用する治療を行います。
嗅覚障害は発症してから数か月以上経過すると治療が困難になる場合がありますので、少しでも気になるようであれば、早めに耳鼻咽喉科を受診しましょう。