診療内容
副鼻腔炎
副鼻腔炎とは
顔の骨の中に、鼻を取り囲むようにいくつかの空洞があります。(図の赤い部分)これらを総称して「副鼻腔」と呼んでいます。どの空洞も一部は鼻の内部である鼻腔に通じています。副鼻腔の粘膜に細菌やウイルスが感染すると炎症が起き、さまざまな症状が現れます。
副鼻腔炎は「急性副鼻腔炎」と「慢性副鼻腔炎」とに分けられ、急性副鼻腔炎の場合は通常1~2週間で治ります。一方慢性副鼻腔炎は、急性副鼻腔炎が3ヵ月以上にわたって長引いたり、繰り返したりする副鼻腔炎を指し、「ちくのう症(蓄膿症)」とも呼ばれます。
副鼻腔炎が起きやすい方
●風邪(ウイルス、細菌感染)症状がある方
●花粉症やダニ、カビなどによるアレルギー症状がある方
●鼻茸(鼻ポリープ)がある方
●鼻中隔弯曲症(鼻の真ん中にある軟骨や骨が曲がっている病気)の方
副鼻腔炎の主な症状
●鼻水(粘稠性・膿性)
●鼻づまり
●鼻水がのどに落ちる(後鼻漏)
●頭痛、顔面痛(頬部痛・前頭部痛)
●嫌な臭いがする
●鼻の痛み
●歯の痛み
●嗅覚障害
副鼻腔炎の検査
症状をお聞きし、画像診断(レントゲン)や内視鏡検査(ファイバースコープ)で鼻腔内の炎症の場所や範囲、進行度合いを確認します。
副鼻腔炎の治療
急性副鼻腔炎と慢性副鼻腔炎で治療法は少し異なりますが、当院では主に鼻の処置やネブライザー(鼻の吸入)・抗生剤の投与・ステロイド点鼻薬などの治療を行っています。
薬物療法の効果が乏しい場合は内視鏡手術を検討します。
急性副鼻腔炎の治療
鼻腔内に薬をスプレーして鼻汁を吸い取り、鼻の通りを良くします。
その後、ネブライザーで薬を吸入して頂きます。
ご自宅では、抗生剤や排膿を促進する薬を内服して頂きます。
急性副鼻腔炎は細菌感染が主体なので、まず抗生剤をしっかり使い炎症を抑えることが重要です。
慢性副鼻腔炎の治療
鼻の粘膜の機能を正常化するために、急性副鼻腔炎の治療に加えて「マクロライド」という抗生物質を少量、1〜3カ月投与する治療法が有用です。マクロライドは他の抗生剤と違い、細菌を殺すだけでなく慢性炎症を起こしている副鼻腔粘膜を消炎し、正常化する作用があります。
また、アレルギーが原因となっている場合、抗アレルギー薬も使用します。
慢性副鼻腔炎は数回の外来治療で治すことは困難で、治療期間はある程度長くなります。
薬物療法で改善しない場合や鼻茸がある場合、また鼻中隔が強く弯曲している場合には手術療法が必要となります。